失業保険で得する退職方法とタイミング

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失業保険で得する退職方法とタイミング

目次

ポイント1.退職前の確認事項について

  • 退職金
  • ボーナス
  • 会社からの借入金
  • 残業手当
  • 残りの有給休暇

まず、退職をする前に上記の5点について確認しておきます。

退職前後の確認事項について

これらの事項についても、確認しておきます。会社へ確認すべきは会社へ。自分の保有物に関しては早めに整理しておきます。

1.会社から受け取るもの

  • 離職票
  • 源泉徴収

2.会社へ返却するもの

  • 健康保険証
  • 通勤定期
  • 名刺
  • 社員バッチ

3.支払い確認が必要なもの

  • 未払い賃金
  • 社内貯金
  • 立替金
  • 退職金

4.誰が保管しているのかを確認しておくもの

  • 雇用保険被保険者証
  • 年金手帳

ポイント2.退職時期のタイミングについて

退職のタイミングは非常に重要です。

それは、働いた日数によって本人が取得できる権利が大きく異なってくるからです。

「あと一週間働いていれば・・・・」といったことがないように、これから、退職時期によって異なる権利の詳細を見ていきましょう。

入社してから・・・

14日以上

→在職中・・・解雇予告手当の受給権が発生する。
→退職後・・・特になし。

2か月

→在職中・・・特になし。
→退職後・・・健康保険の任意継続が可能。

6か月

→在職中・・・有休が10日取得できる。
→退職後・・・失業保険が基本手当の90日分受給することができる。

1年

→在職中・・・育児休業、介護休業の権利が発生する。
→退職後・・・傷病手当金、出産手当金が受けられる。
※45歳以上の方が会社都合による場合は失業保険が倍増する。

1年6か月

→在職中・・・有休の日数が1日増加される。

  • 勤続年数6ヶ月 → 休暇日数・・・・・・10日
  • 勤続年数1年6ヶ月 → 休暇日数・・・・11日
  • 勤続年数2年6ヶ月 → 休暇日数・・・・12日
  • 勤続年数3年6ヶ月 → 休暇日数・・・・14日
  • 勤続年数4年6ヶ月 → 休暇日数・・・・16日

→退職後・・・特になし。

3年

→教育訓練給付金が経費の20%受給される(上限10万円)

5年

→教育訓練給付金が経費の40%受給される(上限20万円)

10年

→在職中・・・特になし。
→退職後・・・会社都合、自己都合、どちらで退職しても給付日数が増加する。

20年

→厚生年金の加給年金が受給できる。

退職時期でこれだけの権利が異なってきます。

自分にとっての一番いい退職時期を、今のうちから考えておくことをお勧めします。

ポイント3.得する離職の仕方について

退職理由が自己都合なのか、会社都合なのか?

退職理由が自己都合なのか、会社都合なのかで、失業保険の給付額に大きな差がでてきます。

もちろん、給付額が多いのは会社都合による退職です。

今までは倒産、解雇などの理由でしか会社都合として認められてきませんでしたが、法律の改正、新制度の成立後からは、会社都合として退職できる条件の幅が広がりました。

特定受給資格者(会社都合での退職者)と一般受給資格者(自己都合での退職者)の違いについて

1.失業給付日が異なる
  • 特定受給資格者の場合 一週間後に支給が開始される。
  • 一般受給資格者の場合 4ヶ月後に支給が開始される。
2.失業給付の付与日数が異なる
  • 一般受給資格者90日  → 特定受給資格者180日になる!
  • 一般受給資格者120日 → 特定受給資格者240日になる!
  • 一般受給資格者150日 → 特定受給資格者330日になる!
3.退職金が異なる

例:勤務年数が20年の課長職を例に挙げた場合

  • 一般受給資格者600万 → 特定受給資格者1600万になる!
  • これを失業給付と合わせると1000万以上の差が生まれてくる!!

会社都合にできる退職理由について

1.採用の際に記されていた労働条件(労働時間、勤務地、職種など)と 著しく違うことを理由に退職した者。

※しかし、退職して一年以上経過した場合は該当しない。

必要書類・・・採用条件が記された労働契約書、職業規則など。

2.労働者に支払われる賃金(残業代、賞与等を除く。)が、当該者に 支払われていた賃金に比べて85%未満に低下した(又は低下することが 見込まれることとなった)ため退職した者。

必要書類・・・労働契約書、就業規則など。

3.事業主又は当該事業主に雇用される労働者から就業環境が著しく 害されるような言動を受けたことにより退職した者。(特定個人を対象とした配置転換、給与体系等の変更、セクハラなど)

必要書類・・・配置転換の辞令、就業規則、労働契約書など。

4.2か月以上連続で賃金の3分の1以上が支払われなかったことを理由に退職した者。

必要書類・・・労働契約書、就業規則、給与明細など。

5.事業所から退職するよう勧奨を受けたこと(従来から設けられている「早期退職者優遇制度」等に応募して退職した場合を除く。)により退職した者。

必要書類・・・なし。

6.10年以上同じ職種に就いていたにもかかわらず、十分な教育訓練も与えられず配転させられ、その結果、専門の知識または技能を十分に発揮できる機会を失い、新たな職種に適応することが困難なため退職した者。

必要書類・・・採用条件が記された労働契約書、配置転換の辞令

7.労働契約上、勤務場所が特定されていた場合に、遠隔地(通勤に報復四時間以上)に転勤を命じられ退職した者。

必要書類・・・採用条件が記された労働契約書、配置転換の辞令

8.事業所の移転、廃止などで通勤時間が往復4時間以上になったことで退職した者。

必要書類・・・転勤の辞令など。

9.使用者の責めに帰すべき事由により、休業が連続3か月以上となっとことで退職した者。

必要書類・・・給与明細など。

10.事業所の業務が法令に違反したため退職した者。

必要書類・・・事業所の法令違反が証明できる資料。

11.希望退職募集

必要書類・・・希望退職募集要項など

12.離職の直前3ヶ月に連続して各月45時間を超える時間外労働を行ったことにより退職した者。

有期労働契約が1回以上更新されて、3年以上継続して雇用されていた場合に、契約が更新されないことを理由に退職した者。

必要書類・・・労働契約書、就業規則など。

13.家庭的事情を抱えた労働者が遠隔地への転勤命令が出されたため退職した者。

必要書類・・・転勤の辞令など。

14.特定の職種で採用されたのにも関わらず、その職種を配転され、賃金が低下し、配転後の3か月以内に退職した者。

必要書類・・・労働契約書、職種転換の辞令など。

ポイント4.すでに退職された方の「自己都合から会社都合」への変更について

まだ、退職されていない方であれば、「会社都合にできる退職理由について」から照らし合わせて、対策を練ることができたり、対策を練らなくても会社都合にできる状態の人は、そのまま、会社都合で退職ができます。

しかし、中には、失業保険についての詳しいノウハウを知らなかったために、何も考えずに自己都合で退職をしてしまった人は多いのではないでしょうか?

また、会社都合にできてたのにも関わらず、自己都合で退職されている方もいるかと思います。

通常、退職前に会社側が本人へ離職証明書を持ってきます。その内容(自己都合での退職)を確認し、「異議あり」、もしくは「異議なし」のどちらかに、チェックしなければいけません。

ここで、「異議なし」にチェックすれば、もちろん、自己都合としての退職とみなされます。

この書類を本人が退職した後にハローワークに提出するわけですが、この後に行う手続きの仕方によっては、自己都合から会社都合として退職にできる可能性があります。

それでは詳しい流れについて説明いたします。

本人が退職する(「異議なし」として)。

↓↓↓

会社がハローワークに自己都合と記載されてある離職証明書を提出し、それに基づき会社に離職票を発行。

↓↓↓

会社から離職票が郵送されてくる。

↓↓↓

ここでもう一度、会社から送られてきた離職理由に関して異議がないか答える。※(ここではかならず異議ありにチェックをする)

↓↓↓

離職票を持ってハローワークで手続きを開始する。

↓↓↓

会社と本人の離職理由が違うため両方に事情聴取を行う。

※最初に異議なしでの退職届を提出していますので、その理由を答えなければならない。「会社との関係をできるだけ壊さず退職したかったから」などと答えれば大丈夫です。


以上のような流れで、会社側に証明できる証拠(給与明細)などをもっていれば自己都合から、会社都合に切り替えることができます。

しかしやはり、退職前から計画だてて準備を行っている方がスムーズに会社都合の手続きがとれることは間違いないと言えそうです。

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