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みなさんは、つなぎ融資をご存じですか? 一般的には住宅ローン等の「つなぎ融資」が広く知られているかと思いますが、ビジネスローンの分野にも、つなぎ融資と呼ばれる融資商品があります。
本記事では、中小企業がつなぎ融資を借りる5つの方法と、融資を受ける際『気をつけたいポイント』について説明します。
「つなぎ融資」とは、長期的な借り入れではなく一定期間(一時的な)の借り入れを意味します。例えば、今月の資金が足りなくなった場合(臨時として)穴埋めに使用する短期間融資を「つなぎ融資」と呼ぶことが多いです。
【つなぎ融資】
つなぎ融資とは、会社の資金繰りのために一時的にお金を貸すことをいいます。
(中略)手持ち資金が潤沢であれば、材料や商品の仕入れが行えます。
しかし、得意先からの入金が遅れたなど、何らかのアクシデントがあって手元の資金が不足すると、仕入れができなくなり、営業がストップしてしまいます。
こうした事態を回避するために短期間だけお金を借りて、運転資金を確保することをつなぎ融資と呼んでいるのです。
よく利用されているのが、銀行などの預金業務などを行わない「ノンバンク」からの借り入れです。ノンバンクを利用するメリットとしては、銀行よりも審査がスムーズに行われるほか「審査の通過率が高い」点が上げられます。
短期間の借り入れは、資金繰りを早い段階で改善し、会社の経営を立て直すのにも役立ちます。「支払いの目途が立たない…」とお悩みの方は、つなぎ融資を利用し、お金の問題を早急に解決しておきましょう。
ここからは、ノンバンクからの融資を参考に「つなぎ資金利用するメリット」を3つ紹介したいと思います。
ノンバンクからの「つなぎ資金」メリットは?
① 支払いを滞りなく行うことで、事業の立て直しができる |
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② 保証人や担保が必要ないので、申込のハードルは低い |
③ 銀行等、金融機関との関係が改善できる |
①~③について、順に解説します。
ノンバンクの「つなぎ資金」を利用すると、申込から融資可決までのスピードが速く、返済が滞りなく終えられます。
これなら資金繰りの悪化を最小限に抑え、会社の経営状況が早急に立て直せるでしょう。
もちろん、その場しのぎの救済措置は良くありませんが、つなぎ融資で一旦「経営状況」を立て直せば、お金の問題がリセットされ、経営者の心にもゆとりが生まれます。
心に余裕が出来たら、次に銀行からの借り入れ(ビジネスローン等)と組み合わせて運転資金を確保し「売り上げを伸ばすこと」に専念してください。
実際に「つなぎ資金」と「金融機関からの融資」を併用し、倒産ギリギリの状態から再起し、事業を成功させた経営者は数多く存在します。
資金繰りが悪化すると、心のゆとりもなくなり、ビジネスに対する視野も狭くなるものです…。
しかし、つなぎ融資を有効に利用すれば、経営状況を盛り返し、事業を拡大することも可能です。
一時的な資金不足で、今の事業を失敗させるのは避けるべきことです。
このため、つなぎ融資等を活用し、大切な会社を守る努力をしましょう。
資金繰りが改善されれば、たちまち、銀行などの金融機関からの信頼性も高まり、融資も可決されやすくなります。
ノンバンク融資は(原則)保証人や担保が必要ありません。
このため、審査のハードルが他の金融機関に比べて低く「資金調達しやすい」という特徴があります。また審査結果が出るまでの時間が短く、最短「即日中に融資」が受けられるので便利です。
貸金業法が改正された後、銀行のグループ会社に入った金融業者が急激に増えました。もちろん「銀行と全く同じ条件」ではありませんが、昔に比べて貸し付けの条件も良くなり、低金利で融資を実施しています。
また、短期融資から長期融資まで、幅広い融資商品があるので選択肢は広がります。
一般的に「ノンバンク融資を利用すると、金利が高い」イメージを持たれがちですが、銀行傘下のノンバンクであれば、金利が低く設定されているのため(初めて利用される方でも)安心です。
(項目①と共通しますが)つなぎ融資で資金繰りが改善されると、銀行との関係性が改善できます。このため「どの融資も審査が通らない」とお悩みの方こそ、つなぎ融資を利用し、資金繰り改善を始める必要があります。
特に銀行などの金融機関は、経営状況だけでなく、支払いの滞りがないか等、細かく審査を行います。
無事、つなぎ融資の審査が通り、資金を受け取った後は「滞ったお金の流れ」を一気に解消しましょう。お金の流れがスムーズになれば、会社の経営状態だけでなく、銀行格付け等の問題合わせて解消されます。
いよいよ、本記事の本題である中小企業が「つなぎ資金」を借りる5つの方法について説明します。
中小企業が「つなぎ資金」を借りる3つの方法
① ビジネスローンを利用する |
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② 日本政策金融公庫の融資制度を利用する |
③ ファクタリングを利用する |
④ 手形割引 |
⑤ 不動産担保融資 |
もちろん、上記以外にも「つなぎ融資」を利用する方法が、いくつか存在します。ここでは経営者の間で「早急に資金繰りが改善された」と評価が高い方法を5つに厳選し紹介したいと思います。
事業融資として広く知られているのが、この「事業者ローン」や「ビジネスローン」と呼ばれる融資商品です。ビジネスローンは銀行やノンバンク、事業者向けの金融業者にて利用できます。
特にノンバンクからの融資は「審査がやさしい」などの理由で、よく利用されるサービスのひとつです。
日本政策金融公庫は、国が100%出資する金融機関です。このため通常の銀行やノンバンク融資とは違い、低利で貸付が行われるほか、高額融資も受けられます。
【日本政策金融公庫とは】
政府金融機関である、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、国際協力銀行の国際金融等業務などを、公的金融縮小を最大の目的として統廃合し、平成20年(2008)10月に設立。
国の政策に基づいて、個人・中小企業・農林水産業者への融資、国内産業の国際競争力向上や海外での資源開発促進のための金融など、一般の金融機関を補完する業務を行う。政府が全額出資し、経営の効率や透明性を高めるために株式会社の形態で運営される。日本公庫。
また(日本政策金融公庫は)金融機関で審査が通りにくいとされる、起業間もない方や起業前の経営者でも「融資が申し込める」ので人気があります。
ファクタリングは、売掛金を現金化してくれる便利なサービスです。ファクタリングを利用する場合は、「売掛け債権」が必要となります。
もし「売掛け債権」があれば「取引先の経営状況」を審査対象として債権を現金化し、資金の提供が行われます。
【売掛金とは】
売掛金とは、売上金の帳簿上の未集金です。 通常一ヶ月毎に請求し、それに対して相手先が支払いをする仕組みであり、これを管理する台帳が得意先元帳になります。 得意先元帳では売掛金の発生、回収、残高が記入され、それぞれ相手先毎に管理できるようになっています。Wikipedia「売掛金」より抜粋
【ファクタリングサービスとは】
ファクタリング (factoring) とは、他人が有する売掛債権を買い取って、その債権の回収を行う金融サービスを指す。Wikipedia「ファクタリング」より抜粋
④の手形割引と混同されやすいのですが、分かりやすく説明すると、手形割引は「実質、手形を担保に資金を融資してもらう」のに対し、ファクタリングは「売掛金を業者に買い取ってもらい現金化してもらう」という違いがあります。
このため、取引先が万が一倒産に追い込まれたり、売掛金の回収が出来なくなった場合でも、私たちがリスクを負う危険性はありません(※ 売掛金の買取義務がない契約の場合)。
また、口コミ評価の高いファクタリング業者は、申込から最短1日(もしくは翌営業日)に売掛金を現金に換えてくれるので、資金繰りの改善を急がれる方にはイチオシの資金調達方法と言えます。
ファクタリングサービスは「買い戻し請求有り」と「買い戻し請求無し」の2種類に分類されます。リスクがなく資金調達を行えるのが「買い戻し請求無し」のファクタリングです。
手数料は少し高くなりますが、リスクを避けて資金調達される方が賢明と言えます。
③でも解説した手形割引は、手形を金融機関や専門業者など第三者へ譲渡し、支払い費までの利息を差し引きし、現金化してもらう方法です。
ただし、③のファクタリングとは異なり、実質「手形を担保」にしています。このため手形の不渡り(=支払いができない場合を指す)が起こった場合には、割引依頼人が、割引手形を買い戻す義務が発生するなど(ある程度)リスクが大きい方法です。
【手形割引とは】
手形割引(てがたわりびき)とは、満期前の手形を第三者へ裏書譲渡し、満期日までの利息に相当する額や手数料を差し引いた金額で換金することである。Wikipedia「手形割引」より抜粋
このため、安全に現金化をするには、④の方法よりも③のファクタリングをおすすめする専門家が多いです。
土地や建物など、不動産を担保に融資を受ける方法です。メリットとしては不動産を担保にするので大口の資金調達が可能となります。
また、銀行側にしても不動産を担保に入れてもらうことで「貸し倒れ」のリスク回避ができ、利用者側も「低金利で融資」が受けられるので便利です(⇒貸す側、借りる側の両方にメリットがある方法と言えるでしょう)。
ただし融資を受けた後、返済ができなかった場合は「担保となった不動産」を売って「返済」する必要があります。また大口の融資であれば、それ相応の手数料が掛かるので一定の注意が必要です。
不動産担保融資は、銀行等の金融機関のほか、ビジネスローンを専門に扱う業者でも取り扱いがあります。
ただ万が一資金繰りが悪化した場合、大切な土地や建物を失うリスクがあるので注意を払う必要があります。また不動産などの資産がない場合は、⑤の不動産担保融資は受けられないので注意しましょう。
【メモ:補助金と助成金制度】
各自治体でも「つなぎ融資」に役立つ、資金調達が行えます。
最寄りの自治体では、それぞれの地域に住む(または会社の所在地がある)方を対象に、補助金や助成金など「社会貢献度の高い」融資を行っています。
各自治体でそれぞれのサービスは異なりますが、基本的に返済の必要がない「補助金」や「助成金」ですので、うまく審査を通して資金繰りに役立てみてください。
また申請や審査を通過させる方法がわからない時は、コンサルタントや金融業界に詳しい専門家にアドバイスを貰ってください。
このほか、専門家のブログや金融関係のサイト、地方自治体のサイトなどを参考にし、情報を集めるのも賢い方法です。専門家の意見などを参考にすれば、きっと会社の役に立つ「資金繰り改善の情報」が手に入るはずです。
続いて「つなぎ融資を借りる際、必要な3つのポイント」を見ておきましょう。
「つなぎ資金を借りる」際、必要な3つのポイント
① 多彩な「資金調達方法」について理解する |
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② 自社の問題を解決する「資金調達方法」を選ぶ |
③ ファクタリングについて、知識を身につける |
①~③について解説します。
資金が必要な時、資金調達の方法を知らなければ、自社の問題解決に役立てられません。つなぎ融資については(本記事で紹介した方法のほか)、信販会社のビジネスローンや、ビジネスローン専門の金融業者など多彩な方法がチョイスできます。
また前項で説明した「ファクタリングサービス」も、資金繰り改善に効果が高い方法のひとつです。
つなぎ融資を成功させるには、ある程度「それぞれの融資特徴」を把握した上で、自分に合うサービスや資金調達先を見つける必要があるでしょう。
自社が抱えている問題や、これからの状況にマッチするサービスを選びましょう。例えば「フリーキャッシング」などの融資は、ビジネス資金や「事業性のある使途」を認めないケースがあるので注意しましょう。
また、融資元やローンの種類によって、金利や限度額に違いがあります。ローンの種類によっては「融資金の使途」が、あらかじめ決められているサービスもあるので気をつけてください。
専門家もおすすめするファクタリングについて、必要な知識を身に付けましょう。もちろん、専門的な知識は求められません。ある程度、特徴やメリットを知っておけば「自社に合う融資かどうか」すぐ判断できるはずです。
また、実際にファクタリングを利用している「ユーザーの声」や口コミを参考にすれば、業者選びで迷うことは無くなります。
このほか、融資審査が通らなくてお困りの方も「ファクタリングサービス」を利用し、資金繰りの問題を早期解決しておきましょう!
「つなぎ資金」の調達をする場合、最も安全なのは「利息が低い」融資や、返済負担額が少ないサービスを利用することです。
例えば、銀行融資や政府系金融機関の融資は(他に比べても)利息が低く、経営者におすすめの(融資)方法です。また、ノンバンクと呼ばれる「消費者金融」からの融資も、最短即日で融資を行ってくれるので、至急資金が必要な方や短期間での借り入れに特に効果的です。
特に「つなぎ資金」を利用する際は、ローンなどの方法とファクタリングなど「現金化に強い」方法を掛け合わせるのが最強の「資金繰り改善」法です。
みなさんも、複数の資金調達法から比較検討し「ご自身に合った」サービスの利用をオススメします。
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