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会社は設立するのは簡単で誰でも出来ます。しかし5年10年と継続させることが出来るのは、ほんの一部の経営者だけです。
では、どのようなポイントに気をつけるべきか、当ページでこれまで1,000名以上の経営者をサポートして来た経験と私自身10年を超えて事業経営を継続させて来た経験に基づき簡単に解説したいと思います。
会社は売上を上げてはじめて維持継続が出来ます。そしてその売上を運んでくるのは営業です。
独立起業して仕事が勝手に入ってくることはありませんので、営業力がなければ始まりません。
最初は独立のご祝儀的に知り合いや友人がお店に来てくれたり、前職の付き合いで仕事を出してもらえたりするかもしれません。
しかしそれだっていつまでも続きはしないのです。
独立起業した以上、自分の仕事は自分で取る!自分が先頭に立って稼ぐ!稼ぎ続ける!と言う気概がまずは大切です。
もちろん気合いと根性だけではなく、実際に仕事を獲得し売上を作って行けるだけの営業の仕組みが必要です。
これらの問いに「明確に」答えられないとしたら、まだ独立起業をするステージにありませんので、やめておきましょう。
独立起業して1円の売上も上げられないまま廃業してくような方だって非常に多いのです。(決して笑い話ではなく、開業前の事業計画を綿密に練っていなければ十分あり得る話です。)
営業力はあるのに倒産する会社が多々あります。
黒字倒産と言う言葉を聞いた事はありませんか?
「売上が上がるのになんで会社が潰れるの?」
そうお感じになられる方もいらっしゃるでしょうが、会社は黒字でもキャッシュが尽きれば倒産します。
逆に赤字でもキャッシュが回っていれば会社は何年でも続くのです(もちろん、無限に赤字を垂れ流しているといつかは潰れるわけですが)。
この辺の話は収支と損益の話を理解している方なら当然わかることですが、この部分がわからない方は事前にしっかりと勉強してからの独立をお勧め致します。
営業が攻撃なら、この資金繰りは守備に当たります。
スポーツでも攻撃だけでは勝つ事は出来ません。それと同じことです。
資金繰りと言うと難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に一言で言うと
「いつ、どれだけのお金がなくなる予定なのか?」
を事前に把握しておくことです。そしてそれに対する策を用意しておくこと。
例えば現時点で、2ヶ月後に資金が枯渇してしまう可能性を掴んでいれば、早めに(2ヶ月の時間をもって)日本政策金融公庫や自治体制度融資等の低利の資金調達に走ることも出来ます。
既存の売掛金の回収や、新たな回収スパンの早い売上を作ることにも迅速に動くでしょう。
資金繰り自体把握していなければ、これらの行動にすら移せないまま、ある日突然「お金がない」「支払が出来ない」となり倒産することになります。
キャッシュの流れを出来るだけリアルタイムで把握し、出来るだけ早く危機察知する能力が大切です。その為には、資金繰り表や試算表の作成は避けて通れません。「日々の現金がどのくらいあるか知らない」「数字に弱いから計算書類は理解出来ない」では経営者は務まりません。
資金不足に陥る危機は会社経営をしていれば多かれ少なかれあるものです。
今は大きな有名企業だって、数度そのようなピンチを乗り越えて今を築いている・・・・なんてことはよくある話です。
資金調達は一生モノのノウハウです。
ここで言う資金調達は商工ローンやサラ金等の特にノウハウを要しない高金利ローンのことは該当しません。
あくまでも、日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)や自治体制度融資(信用保証協会付融資)からの公的低金利融資を指します。
考えてみて下さい。1000万円を年利15%で借りると、150万円の利子となります。同じく1000万円を年利3%で借りると30万円の利子です。
ご自身の利益の中から返済していける金額ですか?その辺をよーく考えてから資金調達に着手しないと、高利の資金調達ではその場しのぎにはなっても結局自分の首を絞める事になり兼ねません(そういうパターンをたくさん見てきました)。
そして簡単に借りられる高利の融資に比べて、低利の公的融資申請には事業計画書の策定や申請ノウハウが必要です。
会社経営をして行く上で「いつでも低利の公的融資を受けられる体制」を作っておく事はこの上ない安心感に繋がると言えます(もちろん、融資ナシで経営と業績向上していけるならそれに越した事はありません)。
社会保険料の負担の重さは払った者にしかわからないでしょう。会社を設立すると社会保険は強制加入となります(未加入はれっきとした違法行為になります)。
この社会保険料は月額給与に連動して高くなり、従業員と法人で折半負担となります。予め法人側の社会保険料をシュミレーションした上で給与体系を定めておかないと、想像以上の社会保険料に会社を潰される事になり兼ねません(実際に社会保険料が払えずに廃業に繋がる事業者も多々います)。
例えば、社会保険料を抑えようと思うと、給与を抑えるしかないのですが、そうすると今度は従業員のモチベーションに影響しますので、給与を低く抑える分、住宅手当や昼食補助を出したり、福利厚生を厚くしてバランスを図ったりと言った施策も有効です。
毎月の支払は重いですが、保険、年金はもちろん、いざという時の休業給付金、傷病手当金、産前産後休暇や育児休業など実は非常に厚い補償内容となっているのが社会保険です。
従業員を雇っている会社としては、いざという時のことを考えると非常に心強い制度ですし、従業員も安心して働けます。
加入する、しないの選択の余地はありませんが、金額に関しては対策が必要です。
社会保険同様、事業主からすると負担の重い、心理的にも払いたくない部類の費用です。
税金を払いたくないが為に過度な節税を図り、内部留保が全くない状態で会社経営を行っているパターンは多いです。
しかし内部留保が無いと言うのは、個人で別にお金を蓄えていて、すぐに出資出来る状態でも無い限り、万一のことがあれば即倒産に繋がる非常に危険な状態と言えるでしょう。
また、これはそもそも違法ですが、「バレないだろう」と考え脱税を続け、数年分の追徴課税が来て一気に資金繰りの悪化→倒産と繋がる方も多いです。
更に悪いことには、税金は倒産しても免れる事が出来ないと言う事です。どこまでも追って来ます。(これは社会保険も同様ですが)
赤字だろうと売上規模がそこまで大きくなかろうと税務調査は入りますので申告漏れやいい加減な申告をしないよう注意しましょう。
また、法人税は利益(所得)に対する税金なので、ざっくり言ってしまえば「儲かっていない場合は払わなくて良い」わけですが、法人住民税や消費税は儲けに関係なくかかってくる税金です。
特に消費税は、利益が全くなくても売上や業態次第で非常に大きな金額になります。計画的に別段預金などで毎月積み立てておかないと、決算時期になって「こんなに消費税納めないといけないんですか!」とビックリすることになります。
多額の消費税に潰されている中小企業は非常に多いのでこの点も要注意です。
いかがでしょうか?
会社が潰れる要因をざっくりと挙げましたが、もちろん他にも倒産要因は様々です。
しかし、最低この5つは独立起業前に把握しておいた方が良い基礎と言えるでしょう。
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