どこよりも分かりやすい!労働者派遣事業許可申請マニュアル

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どこよりも分かりやすい!労働者派遣事業許可申請マニュアル

1.労働者派遣とは?

労働者派遣業とは、派遣元事業主が自己の雇用する労働者を、派遣先の指揮命令を受けて、この派遣先のために労働に従事させることを常に仕事として行うことをいいます。

これに関する法律は、労働者派遣法です。

では、労働者派遣業には、いくつ種類があるでしょう。

一般労働者派遣業特定労働者派遣業の2つがあります。

平成27年の法改正で労働者派遣事業に「特定」と「一般」の区別はなくなり一本化されます。

特定労働者派遣事業の届出をしている事業主は平成30年9月29日までに一般労働者派遣事業への切り替え手続きが必要です。

一般労働者派遣業とは

一般労働者派遣業とは、特定労働者派遣事業以外の労働者派遣業をいいます。

(例:登録型や臨時・日雇の労働者を派遣する事業)

一般労働者派遣は、登録型の派遣事業です。

登録型の派遣社員は、通常、派遣会社に登録されているだけで、派遣先の企業が決まったとき、その契約の期間だけ、派遣会社に登録されます。

派遣会社の雇用の機会の補償がないので、派遣元には、特定派遣より厳しい条件が課されます。

そのため、厚生労働大臣の許可が必要です。

特定労働者派遣業とは

特定労働者派遣業とは、常用労働者だけを労働者派遣の対象として行う労働者派遣事業をいいます。
厚生労働大臣に届出が必要です。

※常用労働者とは・・・・・・

  1. 期間の定めなく雇用されている労働者
  2. 1年を超える期間、引き続き雇用されている者
  3. 採用されたときから、1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる労働者

をいいます。

派遣できる業務・派遣事業除外業務

労働者派遣を派遣できる業務
  • 情報処理システムの開発の業務
  • 機械設計
  • 放送機器操作
  • 放送番組などの制作
  • 電算機の機器操作
  • 通訳、翻訳、速記の業務
  • 秘書・・法人の代表者その他の事業運営上の重要な決定を行い、またはその決定に参画する管理的地位にある者の秘書の業務
  • 文書、磁気テープなどの整理(保管を含む。)に係る分類の作成、ファイリングの業務
  • 新商品の開発、販売計画の作成などに必要な基礎資料を得るために市場などに関する調査または調査の結果の整理もしくは分析の業務
  • 貸借対照表、損益計算書などの財務に関する書類の作成その他の財務の処理の業務
  • 外国貿易その他の対外取引に関する文書または商品の売買その他の国内取引に必要な資料の契約書、貨物引換証、船荷証券もしくはこれに準ずる国内取引に関する文書の作成の業務
  • 電子計算機、自動車その他その用途に応じて的確な操作をするために高度の専門的な知識、記述または経験を必要とする機械の性能、操作などに関する紹介および説明の業務
  • 添乗員の行う旅程管理業務
  • 建築物における清掃の業務
  • 建築物における電気、ガス、給水などの建築整備の運転、点検または整備の業務
  • 建築物の入り口、建築物内の事業所の入り口における受付、博覧会会場の入退場口または博覧会会場に設けられた案内所における受付または案内駐車料金の徴収、駐車場の管理、電話交換機、館内放送の操作、点検、整備
  • 科学に関する研究または科学に関する知識若しくは科学を応用した技術を用いて製造する新製品もしくは科学の知識もしくは、応用した技術を用いて製造する製品の新たな製造方法の開発の業務
  • 企業などが事業を実施するために必要な体制またはその運営方法の整備に関する調査、企画または立案の業務
  • 書籍、雑誌その他の文章、写真、図表などにより構成される作品の制作における編集の実務
  • 商品もしくはその包装のデザイン、商品の陳列または商品もしくは企業などの広告のために使用することを目的として作成するデザインの考案、設計または表現の業務
  • 建築物内における証明器具、家具などのデザインまたは配置に関する相談または考案もしくは表現の業務
  • アナウンサー、ナレーション、インタビュー、司会などの業務
  • 事務用機器の操作方法、電子計算機を使用することにより機能するシステムの使用方法またはプログラムを習得させるための教授または指導の業務
  • 電話、その他電気を利用して行う商品、権利もしくは役務に関する説明もしくは相談または商品もしくは権利の売買契約もしくは役務を有償で提供する契約についての申し込み、申し込みの受付もしくは締結もしくはこれらの契約の申し込み若しくは締結の勧誘の業務
  • セールスエンジニアの営業、金融商品の営業
  • 放送番組などの制作のために使用される舞台背景、建具などの大道具または調度品、身辺装飾品などの小道具の調達、製作、設置、配置、操作、搬入または搬出の業務
派遣事業除外業務

主に専門知識や技能が必要なもの、代わりの人では業務を行うことができないものが対象となっています。

  • 港湾運送業務
  • 建設業務
  • 警備業務
  • 病院などにおける医療関係の業務(医師、歯科医師、保健師、助産師、看護師、および準看護師、栄養士、歯科衛生士、診療法線技師、歯科技工士の業務)
  • 歯科衛生士、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、 技能訓練士、臨床工学技士、義肢装具士、救急救命士、言語聴覚士の業務
  • 人事労務管理関係のうち、派遣先において団体交渉したり、労使協議の際に、使用者側にたって行う業務
  • 弁護士、外国法事務弁護士、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、弁理士、弁護士、社会保険労務士または行政書士の業務
  • 建築士事務所の管理建築士の業務

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2.一般労働者派遣事業許可について

手数料

収入印紙 12万円 + 5万5千円 × (一般労働者派遣業を行う事務所数-1)
※事業主管轄の労働局に問い合わせてください。
※収入印紙が消印された場合、手数料は返却されません。
登録免許税 9万円

※申請は、事業主単位(会社単位)で行います。

書類

  1. 一般労働者派遣業許可・許可有効期間申請書 3部(正本1通、写し2通)
  2. 一般労働者派遣事業計画書 3部 (正本1通、写し2通)
  3. 添付書類 下記の書類 2部(正本1通、写し1通)
法人の場合 個人の場合
  • 定款または寄付行為
  • 登記事項証明書
  • 役員の住民票の写しおよび履歴書
  • 貸借対照表および損益計算書
  • 法人税の納税申告書の写し
  • 法人税の納税証明書
  • 住民票の写しおよび履歴書
  • 所得税の納税申告書の写し
  • 所得税の納税証明書
  • 預金残高証明書
  • 不動産の登記事項証明書
  • 固定資産税評価証明書(資産)
  • 事業所の使用権を証する書類(賃貸借契約書など)※事業所ごと
  • 派遣元責任者の住民票の写しおよび履歴書 ※事業所ごと
  • 個人情報適正管理規程 ※事業所ごと

【添付書類に関する留意事項】

  1. 住民票の写しを市町村で請求する場合は、必ず、請求事由として、労働者派遣事業の実施のために必要と記載する必要があります。
  2. 派遣元責任者は、許可の申請をする前に、派遣元責任者講習を受講する必要があります。講習内容申し込み方法などは、事業所管轄の労働局に問い合わせてください。

一般派遣業に関する許可の主な要件

  1. 労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行われるものではないこと
  2. 財産的要件
    1. 基準資産額* ≧ 2,000万円 × 事業所数
    2. 基準資産額* ≧ 負債 × 1/7
    3. 自己名義の現金・預金の額 ≧ 1,500万円 × 事業所数

    *基準資産額:資産(繰延資産及び営業権を除く)-負債

  3. 個人情報を適性に管理し、および求人者、求職者などの秘密を守るために必要な措置が講じられていること
  4. 代表者や役員が、一定の欠格事由に該当しないこと
  5. 派遣元責任者が次の要件を満たすこと
    1. 欠格事由に該当しないこと、また業務を適性に遂行する能力を有すること
    2. 派遣元責任者講習を受講した者
    3. 成年に達した後、3年以上の雇用管理経験を有する者
    4. 健康状態が良好(雇用管理が可能)であること
    5. 公衆衛生または公衆道徳上有害な業務に就かせる行為を行うおそれのない者
    6. 名義借りでないこと
    7. 外国人の場合は、在留資格を有すること
    8. 事業所から日帰りで往復できる地域に労働者派遣を行うものであること
    9. 派遣元責任者が不在の場合の臨時の職務代行者があらかじめ選任されていること
  6. 事業所に関する要件
    1. 事業所の面積が、おおむね20㎡以上であること
    2. 派遣業と有料職業紹介を兼業する場合、明確な区分が必要
    3. 性風俗特殊営業、風俗営業などが密集する場所でないこと
  7. 適正な事業運営についての要件
    1. 登録の際いかなる名義であっても、手数料に相当するものを徴収しないこと
    2. 労働者派遣事業の事業停止命令を受けた者ではないこと
    3. 名義貸し目的で一般労働者派遣事業許可を得ようとしないこと
    4. 法人の場合、その役員が個人事業主として労働者派遣事業の事業停止命令を受けたものではないこと
  8. 個人情報保護要件
    1. 職務上知り得た派遣労働者などに関する個人情報を業務以外の目的で使用したり、他に漏らしたりしないことについて、職員への教育が実施されていること
    2. 派遣労働者から求められた場合の個人情報の開示または訂正もしくは削除の取り扱いに関する規定があり、かつ当該規定について、職員への教育が実施されていること
    3. 苦情処理の取り扱いに関する派遣元責任者を定めること
    4. 個人情報の紛失、破壊および改ざんの防止をするための措置が講じられていること
    5. 派遣労働者なの個人情報を取り扱う事業所内の職員以外の者による派遣労働者などの個人情報へのアクセスを防止するための措置が講じられていること
    6. 収集目的に照らして保管する場所がなくなった個人情報を破棄または削除するための措置が講じられていること

派遣元の義務と責任

  • 雇用契約は、派遣元と派遣社員の間で締結する。
  • 派遣元と派遣社員は、雇用関係にあるので、労働基準法や労働安全衛生法などの労働法関係については、原則として派遣元が責任を負い、派遣社員給与も、派遣元が支払う。また、派遣元は、社会保険・労働保険に派遣社員を加入させなければならない。
  • 派遣元は、派遣労働者本人に、労働者派遣をすることや従事する就業条件を明示しなくてはならない。
  • 派遣社員の希望と能力に応じた派遣先を紹介するときに、労働者派遣契約が、労働法に違反するような場合は、派遣元はその労働者派遣契約を締結してはいけない。
※社会保険(厚生年金・健康保険加入)
  • 年収130万円超えた場合(60歳以上は、180万円超えた場合)
  • 勤務時間や勤務日数が常勤の社員の4分の3を超えた者
※労働保険(労災保険、雇用保険について)
  • 社員が1名でもいれば、加入させなければならない(一部の事業を除く)。
  • 派遣元が加入の手続きをしていない場合でも労災保険は、おりる(ただし、届出遅滞で事業主は、滞納処分をされることがある)。

一般労働者派遣事業許可 ワンポイント

会社を設立する場合には、資本金を2000万円以上にしておくこと、有料職業紹介事業と兼業でも、2000万円必要です。銀行の残高証明は、会社設立直後に申請する場合、早めにもらっておきましょう。

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3.特定労働者派遣事業の届出に必要となる書類

特定労働者派遣の届出は、下記の書類を事業主管轄等同局を経由して、厚生労働大臣に提出します。

  1. 特定労働者派遣事業届出書 3部  (正本1通、写し2通)
  2. 特定労働者派遣事業計画書 3部  (正本1通、写し2通)
  3. 次表に掲げる添付書類 2部  (正本1通、写し1通)
法人の場合 個人の場合
  • 定款または寄付行為
  • 登記事項証明書
  • 役員の住民票の写しおよび履歴書
  • 住民票の写しおよび履歴書
  • 事業所の使用権を証する書類(賃貸借契約書など)※事業所ごと
  • 派遣元責任者の住民票の写しおよび履歴書 ※事業所ごと
  • 個人情報適正管理規程 ※事業所ごと
  • 預金残高証明書

※一般労働者派遣事業同様、一定の欠格事由に該当する方(法人で役員が欠格事由に該当する場合を含む。)は、特定労働者派遣業を行うことはできません。

添付書類(下記の表のもの)を省略できる場合

法人の場合 個人の場合
  • 定款または寄付行為
  • 登記事項証明書
  • 役員の住民票の写しおよび履歴書
  • 住民票の写しおよび履歴書
  • ※特定派遣元事業主が特定労働者派遣事業の届出添付書類を省略できる場合一般労働者派遣事業の許可申請をする場合
  • ※一般派遣元事業主又は一般労働者派遣事業の許可申請をしている者が特定労働者派遣事業の届出添付書類を省略できる場合特定労働者派遣事業の届出をする場合

届け出る様式は、法令で定められています。

なお、許可申請は、厚生労働省の審査、労働政策審議会の意見聴取などの手続きを経て行われます。それには少なくとも2か月ほどかかりますので、事業開始予定は、十分に余裕をもって行ってください。

労働者は、登録制の派遣ではなく、派遣元がきちんと正社員として雇用した人間のみを派遣するものです。労働者は、派遣元に常用雇用されているため、一般派遣と比べて、雇用が安定しているので、厚生労働大臣への届出制となっています。

派遣元・派遣先・労働者との関係

派遣元と労働者

派遣元と労働者は、正規の雇用契約があります。

派遣元は、労働者の派遣期間が終了すると同時に、次の派遣先を準備したり、労働者の教育訓練や研修を行ったりして、次に備える必要があります。

派遣先と労働者

労働者は、派遣先の就業規則に従い、派遣先の指揮命令下で働くことになります。
このため、派遣先の労務状況が契約内容の通りになっているか、労働者の勤務状況やモチベーションは、高まっているかなどの労務管理に注意する必要があります。

許可要件

1. 財産的要件

資産要件はなし。

2. 派遣元責任者の要件
  • 未成年ではないこと
  • 欠格事由に該当しないこと
  • 健康状態が良好であること
  • 名義借りでないこと
  • 成年に達してから、3年以上の雇用管理の経験を有すること

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4.労働者派遣事業の更新と変更

許可の有効期間の更新

一般労働者派遣業の許可の有効期間は3年です。

引き続き行うときは、許可の有効期間が満了する日の30日前までに、十分な余裕をもって更新の申請をする必要があると思います(許可有効期間更新申請の手数料は、5万5千円×一般労働者派遣業)。

手続き、要件などは、新規許可の際とほぼ同額。

変更手続き

次に掲げるものに変更が生じたときは、次の書類を提出してください。

一般労働者派遣事業変更手続き
事項 手続き
許可証の亡失、滅失 許可証再交付申請(速やかに)
  1. 氏名または名称
  2. 住所
  3. 代表者の氏名
  4. 代表者を除く役員の氏名
  5. 役員の住所
  6. 一般労働者派遣事業の名称
  7. 一般労働者派遣事業の所在地
  8. 派遣元責任者の氏名
  9. 派遣元責任者の住所
  10. 特定製造業務への労働者派遣の開始、終了
  11. 一般労働者派遣事業を行う事業所の新設
  12. 一般労働者派遣事業を行う事業所の廃止
  • 変更届出
    事後10日以内、ただし8. および9. は30日以内)
  • 許可証書換申請
    (1. 2. 6. または、7. の変更に限り、上記変更届と併せて行ってください。)
一般労働者派遣事業の廃止 事業廃止届(事後10日以内
特定労働者派遣事業変更手続き
事項 手続き
  1. 氏名または名称
  2. 住所
  3. 代表者の氏名
  4. 代表者を除く役員の氏名
  5. 役員の住所
  6. 一般労働者派遣事業の名称
  7. 一般労働者派遣事業の所在地
  8. 派遣元責任者の氏名
  9. 派遣元責任者の住所
  10. 特定製造業務への労働者派遣の開始、終了
  11. 一般労働者派遣事業を行う事業所の新設
  12. 一般労働者派遣事業を行う事業所の廃止
変更届出
事後10日以内、ただし8. および9. は30日以内)
届出の種類 手続き
事業報告書
収支決算書
毎事業年度経過後3ヶ月以内に事業所ごと提出
海外派遣の届出 海外派遣を行う場合
個人事業主が死亡した場合のとり扱い(一般・特定労働者派遣事業共通) 10日以内に、その同居の親族または法定代理人が届出。死亡後1か月間は継続してもよく、その間に新規の許可申請を行う。
法人の合併などの取り扱い
吸収合併
  1. 合併後、存続法人が一般派遣業の許可を得ておらず、合併後に行う場合は、新規許可申請が必要。
  2. 合併後、存続法人が一般労働者派遣事業の許可を得ている場合は、新規許可申請は、必要ありませんが、合併により法人の名称に変更がある場合は、変更の届出が必要。
法人の合併などの取り扱い
新設合併
(合併する法人がすべて解散し、それと同時に新法人が設立する場合)
合併後に一般労働者派遣業を行う場合は、新規許可申請が必要。
法人の合併などの取り扱い
営業譲渡、譲受の場合の取り扱い
吸収合併に準じた取り扱いとなる。

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5.派遣事業を行うにあたって注意すべき点

一般労働者派遣と特定労働者派遣の共通の注意点がいくつかあります。

  1. 交付を受けた一般労働者派遣業許可証や特定労働者派遣事業届出書の備え付け。
  2. 派遣元事業主は、自己の名義をもって、他人に労働者派遣事業を行わせてはならない。
  3. 労働争議に対する不介入ストライキもしくはロックアウト中またはそれらのおそれのある事業所へは、労働者派遣を行ってはならない。
  4. 個人情報の保護について個人情報は、本人から直接収集したり、本人の同意の下で、
    本人以外の者から収集するなど適正かつ公正な手段であること。派遣元事業主は、個人情報のなかで必要ななかに、次のものは入れられない。
    1. 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項
    2. 思想および信条
    3. 労働組合の加入状況
  5. 個人情報の適正管理の措置について派遣元事業主は、その保管または使用に係る個人情報に関し、
    次の措置を講ずるとともに、派遣労働者からの求めに応じて、その措置の内容を説明しなければならない。
    1. 個人情報を目的に照らして必要な範囲において正確かつ最新のものに保つための措置
    2. 個人情報の紛失、破壊および改ざん防止するための措置
    3. 正当な権限を有しない者による個人情報へのアクセスを防止するための措置
    4. 収集目的に照らして保管する必要がなくなった個人情報を破棄または削除するための措置
  6. 教育的要件
    • 派遣労働者への教育訓練に関する計画が適切にあること
    • 教育訓練を行うに適した施設、設備などが整備され、教育訓練の実施について責任者が配置されるなど、能力開発の体制が整備されていること
    • 教育訓練について派遣労働者から費用は一切徴収しないこと
  7. 許可を受ける場合の責任者・役員の欠格事由
    • 成年後見人若しくは被保佐人または破産者で復権を得てない者
    • 禁固刑などに処せられて5年を経過してない場合、または社会保険法(健康保険法、厚生年金保険法など)労働法(労災保険法、雇用保険法など)刑法、出入国管理法などで違反があり、罰金刑に処せられて5年を経過してない場合
    • 派遣の免許取り消しから5年を経過していない者

派遣元事業主は、個人情報適正管理規程を作成し、これを遵守しなければならない。
また、派遣元事業主およびその代理人などは、業務上知り得た秘密を他に漏らしてはいけない。事業を辞めた後でも同様。

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6.派遣「元」の義務と責任

派遣元(一般・特定共通)は、どんなことをする必要があるのでしょか?
特に重要なものをいくつかあげてみましょう。

労働者に明示しなければならないこと

  1. 派遣労働者が従事する業務内容
  2. 派遣労働者が従事する事業所の名称および派遣就業する日
  3. 派遣就業の開始および終了時刻ならびに休憩時間
  4. 安全および衛生に関する事項
  5. 派遣労働者から苦情の申出を受けた場合における当該申出を受けた苦情の処理に関する事項
  6. 労働者派遣契約の解除に当たって講ずる派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置に関する事項
  7. 派遣先が派遣受け入れ期間の制限に抵触することとなる最初の日

など全部で14項目あります。

明示する方法

書面やファクシミリ、電子メールなどで個々の派遣労働者に交付することが必要。これら以外の方法も認められてはいるが、これらの方が、あとあとのトラブルにはならないと考えられる。

派遣元の事業主は、労働者派遣をするときは、その労働者派遣に係る派遣労働者の氏名などを派遣先に通知しなければならない。

派遣先へ通知すべき内容
  1. 派遣労働者の氏名および性別
    (派遣労働者が45歳以上の場合は、その旨も必要。18歳未満の場合は、年齢も必要。)
  2. 派遣労働者に係る社会保険および雇用保険の被保険者資格届の提出の有無
    (無しの場合は、なぜないのか、具体的な内容が必要。)
  3. 派遣労働者の派遣業の就業条件の内容がその労働者派遣に係る労働者派遣契約の就業条件の内容と異なる場合(例 1日8時間の就業を2人で分担するような場合を指している。)におけるその労働者派遣の就業条件の内容

通知する方法

書面やファクシミリ、電子メールなどで個々の派遣労働者に交付することが必要。

労働者派遣契約の就業条件の組み合わせが複数で、労働者派遣の期間が2週間を超えるときは、労働者派遣の開始後、遅滞なく、その事項にかかる書面の交付もしくはファクシミリ・電子メールの送信の方法で通知とされている。

これらの方法以外も認められていますが、トラブルを防ぐには、これらの方法が無難。

派遣元責任者の選任

派遣元事業主は、派遣社員からのトラブルに対処するために派遣元責任者を選任することが必要。
派遣元責任者は次に掲げる業務を行う。

  1. 派遣労働者であることの条件の明示など
  2. 労働条件などの明示
  3. 派遣先への通知
  4. 派遣先および派遣労働者に対する派遣停止の通知
  5. 派遣元管理台帳の作成、記載および保存
  6. 派遣労働者に対する必要な助言および指導の実施
  7. 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理
  8. 派遣先との連絡調整
  9. 派遣労働者の個人情報の管理に関すること
  10. 安全衛生に関すること
    (健康診断の実施に関する事項、安全衛生教育、労働者派遣契約で定めた安全衛生に関する事項の実施状況の確認、事故などの発生した場合の内容・対応状況の確認)
派遣元責任者となる者の要件

派遣元責任者は次のいずれにも該当しない者のうちから選任しなければならない。

  1. 禁固以上の刑に処せられ、または労働者派遣法、労働基準法などに違反して罰金の刑に処せられ、その執行を受けることができなくなって5年を経過しない者
  2. 成年被後見人もしくは被保佐人または破産者で復権を得ない者
  3. 一般労働者派遣事業の許可を取り消されて5年を経過しない者
  4. 未成年者

※一般労働者派遣事業においては、許可については、派遣元責任者に雇用管理能力にかかる一定の基準を満たすことおよび派遣元責任者の講習を受講していることを選任の要件とする。特定労働者派遣業については、法令上の資格能力は要求されていないが、同様に派遣元責任者の労働関係法令の知識を有し、雇用管理の知識や経験をもつ者を選任することが適当。

派遣元責任者の選任方法

事業所ごとに自己の雇用する労働者(個人事業主や法人の役員も可。)の中から、専属の派遣元責任者を選任しなければならない。派遣元労働者の数100人ごとに1人以上を選任しなければならない。

派遣元管理台帳

派遣元事業主は、派遣就業に関し、派遣元管理台帳を作成しなければならない。内容は、次に掲げるとおり。

  1. 派遣労働者の氏名
  2. 派遣先の氏名または名称
  3. 派遣先の事業所の名称
  4. 派遣先の事業所の所在地その他派遣事業の場所
  5. 労働者派遣の期間および派遣就業をする日
  6. 始業および終業の時刻
  7. 従事する業務の種類
  8. 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項
  9. 紹介予定派遣にかかる派遣労働者については、その紹介予定派遣に関する事項
  10. 派遣元責任者および派遣先責任者に関する事項
  11. 派遣先が派遣就業をする日以外に派遣就業できる日があるときはその日、延長できる時間があるときはその時間数
  12. 派遣先から通知を受けた派遣就業の実績が予定していた就業の時間と異なるときはその実績の内容
  13. 派遣受け入れ期間の制限を受けない業務について行う労働者派遣に関する事項
  14. 派遣労働者にかかる社会保険・雇用保険の被保険者資格取得届の提出の有無(無しの場合は、理由を具体的に書くこと。)

※派遣元管理台帳の作成は、事業所ごとに作らなければならない。一般派遣元事業主は、派遣労働者を常時雇用する者とそれ以外の者に分けて作成する。3年間の保存が必要。

その他派遣元事業主が守らねばならないこと

  • 派遣元事業主は、派遣先が労働者派遣の役務の提供を受けたなら、派遣受け入れ期間の制限に抵触することとなる場合には、抵触することとなる最初の日以降継続して労働者派遣を行ってはならない。
  • 派遣元事業主は、派遣先が派遣受け入れ期間の制限に抵触することとなる最初の日の1ヶ月前から前日までの間に、当該受け入れ期間の制限に抵触する日以降継続して労働者派遣を行わない旨を、派遣先および派遣労働者に通知しなければならない。
  • 労働者派遣契約の際、派遣労働者の性別を記載したり、性別や年齢を理由とする差別的労働者派遣を行ってはいけない。
  • 派遣元事業主は、派遣契約の期間の満了前に派遣労働者の責められる事由でないことで、契約解除が行われたときは、労働者派遣契約に係る派遣先と連携して派遣労働者の新たな就業の機会を見つけてあげること、また派遣労働者解雇の場合は、派遣元事業主は、労働基準法などに基づく責任を果たすことが重要。
  • 派遣元事業主は、派遣労働者の情報を正確に常に新しいものとしておくこと、派遣労働者からの求めに応じて、内容を説明しなければならないこと、またみだりに他人に知られないよう厳重な管理を行うことが必要。
  • 6ヶ月を超えて同一の派遣労働者の労働者派遣を行ってはいけない。
  • 派遣先が、職業紹介を希望しなかった場合または派遣労働者を雇用しなかった場合は、派遣労働者の求めに応じ、派遣先に対し、それぞれの理由を派遣労働者に対して、書面、ファクシミリまたは電子メールにより明示することが必要。

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7.派遣「先」の義務と責任

派遣先は、どんなことをする必要があるのでしょか?
特に重要なものをいくつかあげてみましょう。

  1. 業務上の命令は、派遣先が派遣社員に対して行う。雇用契約の内容を超えて就業させることはできない。もし、契約の内容を超えるような内容の場合は、派遣労働者の同意が必要。また、派遣の契約書および労働条件通知書に記載しなければならない。
  2. 労働関係法規については、原則として派遣元が責任を負うが、現実の労務提供に密接な関連のある事項は、使用者として派遣先の責任となる。例 労働時間、休憩、休日(有給休暇は派遣元)、安全管理面での管理、セクハラの防止など)時間外労働や休日労働を行わせるためには、
    • 派遣先・・派遣契約書などにあらかじめ時間外労働に関する記述があること
    • 派遣元・・適正な36協定の締結・届出をすることが必要。
  3. 派遣先は、派遣される労働者に対して、年齢、性別などの条件をつけてはいけない。
  4. 派遣先で労災事故が発生した場合は、派遣先は、労働基準監督署へ報告書を提出しなければならない。
  5. 派遣先責任者を選任しなければならない。
  6. 派遣契約の解除をする場合、派遣契約中に正当な理由なく派遣契約を解除する場合、次の仕事を紹介するか、解雇予告手当として30日以上の賃金の支払いが必要。派遣先が派遣元に支払い、賃金として派遣元が派遣スタッフへ支払うようになる。
    • 派遣期間に制限のある業務
      1年を超えて、引き続き派遣社員の受け入れが必要な場合、または新たに労働者を雇用する場合には、派遣されていた派遣社員の希望があれば、派遣先は、その者を雇用しなければならない
    • 派遣期間に制限のない業務
      3年を超えて派遣を受け入れていて、その業務に新たに労働者を雇用する場合は、その派遣社員に対して、雇用の申し込みをしなければならない。このような場合に、派遣元は、派遣社員が派遣先へ雇用されることを妨げることはできない。

派遣先は、派遣就業の場所ごとの同一の業務(一部の業務を除く。)について、派遣元事業主から派遣可能期間(4.により、意見聴取を経て3年以内の派遣受け入れ期間が定められている場合は、その期間、それ以外の場合は1年)を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならない。

派遣先管理台帳の作成

内容は、次に掲げるとおり。

  1. 派遣労働者の氏名
  2. 派遣元事業主の氏名または名称
  3. 派遣元事業主の事業所の名称
  4. 派遣元事業主の事業所の所在地
  5. 派遣就業をする日
  6. 始業および終業の時刻
  7. 従事する業務の種類
  8. 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項
  9. 紹介予定派遣にかかる派遣労働者については、その紹介予定派遣に関する事項
  10. 派遣先責任者および派遣先責任者に関する事項
  11. 派遣受け入れ期間の制限を受けない業務については、その紹介予定派遣に関する事項
  12. 派遣元事業主から通知を受けた派遣労働者に係る社会保険・雇用保険の被保険者資格取得届の提出の有無。3年間の保存が必要

労働者派遣契約の際、派遣労働者の性別を記載したり、性別や年齢を理由とする差別的労働者派遣を行ってはいけません。

派遣先は、派遣先管理台帳に記載した事項を派遣元事業主に通知しなければならず、書面の交付もしくはファクシミリ・電子メールの送信により行います。

派遣元事業主が請求すれば、遅滞なく派遣労働者ごと送付必要。

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8.労働者に責任を負うのは、派遣元・先?

労働基準法は、派遣元と派遣先とどちらが責任を負うでしょうか?
原則的に、派遣元事業主が雇用主として責任を負いますが、一部は、派遣先が責任を負うものがあります。

労働基準法

派遣元が責任を負う主な内容 派遣先が責任を負う主な内容
  • 労働条件
  • 賃金
  • 変形労働時間制
  • フレックスタイム制
  • 時間外・休日労働の協定の締結・届出
  • 割増賃金、年次有給休暇
  • 産前産後の休業
  • 災害補償
  • 就業規則の適用
  • 法令・規則の周知義務
  • 労働者名簿・賃金台帳の管理
※派遣労働者の派遣先の時間外労働における36協定の締結、届出
  • 労働時間、休憩、休日など時間の管理
  • 年少者の労働時間および休日、深夜業、危険物有害業務の就業制限
  • 産前産後の時間外、休日、深夜業
  • 育児時間
  • 法令・規則の周知義務(就業規則を除く)

労働安全衛生法

派遣元が責任を負う主な内容 派遣先が責任を負う主な内容
  • 衛生管理者の選任など
  • 健康診断
  • 一般健康診断の結果通知
  • 就業制限
  • 作業環境測定
  • 作業時間の制限
  • 病人の就業禁止

罰則

  • 派遣元が欠格事由に違反、法律に違反き、許可条件に違反した場合(許可の取消、事業開始命令または事業停止命令)
  • 許可や届出をせずに労働者派遣事業を行ったときや派遣先が派遣受け入れ期の制限に違反したとき(罰則対象)
  • 派遣先が法律違反をおこなった場合、是正勧告に従わない場合
  • 派遣受け入れ期間の制限に違反、違反是正勧告、この勧告に従わない場合
  • 派遣労働者への雇用保険契約の申し込み義務違反の場合→企業名の公表の場合がある
  • 派遣先管理台帳の整備、派遣先責任者の選任が適切に行われていないとき(罰則の対象)

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最新の法改正情報のご案内

派遣事業関連法規は改正が多く、当ページ記載の情報は最新でない部分もございます。最新の労働者派遣法の改正情報等は、こちらの厚生労働省のホームページを確認してください。

厚生労働省HP:労働者派遣事業・職業紹介事業等

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当サイト運営者の私自身も「有料職業紹介事業許可」「労働者派遣事業許可」を取得し事業を行っています!

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手続き自体は社会保険労務士さんに依頼しました。

実は最初に依頼した社会保険労務士には業務放置をされ、書類が揃っていれば通常2,3か月で許可が下りるところを、10ヶ月くらい遅々として進まずでした。

さすがに我慢の限界で、報酬・実費を全額返金してもらった上で、別の社会保険労務士に依頼したところ2ヶ月程度ですぐに許可がおりました。

許可決定の前に事務所見学に労働局の職員の方が来たのですが、労働派遣事業許可と有料職業紹介業の両方が一度で済んだのでこちら側の手間はほぼかかりませんでした。

やはり専門家もどこでも一緒ではないということですね。
ちなみに社労士の報酬は派遣許可申請が12万円、有料職業紹介申請が9万円でした。

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<派遣許可、人材紹介業の許可をお持ちの方へ>
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私は行政書士事務所の経営の他に、留学事業を行っております。

留学をするということは、一部の短期留学を除けば、基本的には仕事を辞めて海外へいくわけです。帰国後は当然仕事を探さなければなりません。

つまり、人材紹介業を行っている企業にとっては、見込客以外の何物でもありません。

そして私は現在、【11万件のハウスリスト】を持っております。

留学生が帰国後、自身の望む職に就けるためのお手伝いをしていますが、お客様には自社案件のみならず、広い選択肢を与えていきたいと思っています。

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