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M&Aという言葉がメディアをにぎわす機会が増えています。
このM&Aとは「Mergers and Acquisitions」の頭文字をとった略称で、Mergersとは「合併」、「Acquisitions」とは買収の意味です。つまり合併や買収を通して企業を一体化(統合)することを言います。
よくメディアで話題になるのはある企業が別の企業を買収することで傘下に組み入れる行為のことです。
M&Aは双方が合意したうえで行われるとは必ずしも限りません。
これもメディアでよく見かけますが「敵対的M&A」というケースもあります。これはその会社の株式を大量に買い占めることで経営権を握り、最終的に統合や傘下へと組み入れることです。
その会社の合意を得ていないだけでなく、反対しているにも拘わらず強引に行うケースも少なくありません。
株式会社は株主による議決権が設定されているため、総株主の過半数を取得することで目的を達成することができます。これは株式会社というシステムを利用した戦略といえるでしょう。
なお、この敵対的M&Aを行う際にはTOB(株式公開買い付け)の形で行われることも多く、その会社の株式を保有している投資家が利益を得るチャンスとばかりに売却に走るビジネスチャンスともなっています。
もちろん、こうした穏やかではないケースがM&Aの基本的なパターンではありません。
通常では双方の合意、とりわけ合併・買収される側の経営陣の合意を得た上で行われることになります。ただそのケースでもM&Aが行われるシチュエーションによって双方の立場が大きく異なってきます。
たとえば経営危機に陥った企業を救済するような形で買収を行うケースもありますが、その場合は買収した側が圧倒的に有利な立場となり、新たな経営陣を送り込んで経営再建を図るなど指導的な役割を担うこともあります。
一方合併の場合は双方が限りなく同等の立場で行うケースも見られます。
そのほか、大企業が新たな分野に進出する際にM&Aを行うケースも増えています。
大企業としてはゼロから新事業をはじめるよりもすでに実績とネームバリューを備えた企業をM&Aで取り込んだほうがコストがかかりませんし、優秀な人材やノウハウを確保できるというメリットがあるのです。
このケースでは買収された側の企業は傘下として、あるいは企業内のブランドとして存続することが多く、傘下に加わっただけで経営状況や方針はほとんど変化しないケースもよく見られます。
このようにM&Aとひと口にいってもそれが発生する状況はさまざまです。買収する側、される側、双方の思惑の下で合意が目指されていくことになります。
2025年には、日本の企業の1/3にあたる127万社が廃業危機に陥る可能性があるという調査結果もあります。
もはやM&Aは大企業同士が行うものではありません。
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