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【目次】
以前は、証券取引法、投資顧問業の規制等に関する法律など、それぞれの業法により規制されていました。
それが平成19年9月から施工された金融商品取引法によって、いろんな業者(証券会社や先物取引業者、抵当証券業者など)をまとめて取り扱うことになったのです。
金融商品取引業者には4つの種類があります。
金融商品取引法では、有価証券・デリバティブ取引の「販売・勧誘」業務のほか、「投資助言」「投資運用」および「顧客資産の管理」についても登録制により規制しています。
集団投資スキーム持ち分などについては、設定者自らによる「販売・勧誘」(いわゆる自己募集)も規制対象となっています。集団投資スキームの財産の投資運用(いわゆる自己運用)が規制対象でもあります。
※集団投資スキームの典型的な例は、商法の匿名組合です。営業者が出資者からお金を集めて、事業を行い、利益が出れば出資者に利益を配当として分配する仕組み。
「ファンド」などの一定の「みなし有価証券」の取引は、「第二種金融商品取引業」の登録が必要です。
「ファンド」は、民法の組合契約や商法の匿名組合契約に基づく権利ばかりではなく、投資事業有限責任組合契約や有限責任事業組合契約に基づく権利、社団法人の社員権、その他これらに類似する国内外の全ての権利に当てはまります。
それに対し、第一種金融商品取引業とは、証券会社などをイメージすると良いでしょう。
ちなみに第一種金融商品取引業を営むためには、内閣総理大臣の登録が必要です。
一定の要件を満たす株式会社であればOKです。第二種金融商品取引業などの他の金融商品取引業も登録すれば当時に営業できます。
第二種金融商品取引業を営む会社は、内閣総理大臣の登録を受けると、「ファンド」の取引の他に「市場デリバティブ取引」といって、取引所に上場されているデリバティブ関連商品の取引もすることができます。
法人(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社)でも、個人でも登録ができます。
特定の国家資格など必要ありません。ただ、当然のことながら業務に関する知識景観は必要です。
不産の証券化が広まり、不動産市場と金融市場の融合が進んできています。
不動産信託受益権を売買することや不動産信託受益権で運用する組合契約の出資者を募集することは、金融商品取引法で第二種金融商品取引業と規定されています。
組合契約に基づいて不動産信託受益権で運用することは、投資運用業です。
申請書を提出してから登録を受けるまでは約2ヶ月です。
(この期間には当該申請を補正するために要する期間や事前相談に要した時間等は含まれておりません)
業務を行うことができることとなった日から3ヶ月以内に正当な理由がないにもかかわらず、業務を開始しないときは、登録を取り消すことができる、と金融商品取引法54条により定められています。
登録申請時に登録免許税15万円が必要です。
財務規制として1000万円の最低資本金が規定されています。営業保証金は不要です。
営業保証金1000万円を主たる営業所の最寄りの供託所(法務局)へ供託し、財務局・財務事務所へ供託の届出を行います。
作成する申請書の『重要な使用人(法令等遵守指導業務の統括者等)の氏名(第5面)、6重要な使用人(助言・運用部門の統括者等)の氏名(第6面)』の「統括者等」とは、部長、次長、課長その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、業務を統括する者の権限を代行しうる地位にある者のことをいいます。
「業務方法書」は、登録申請書の添付書類の中で最もポイントとなるものであり、一番の難関でもあります。
なにしろ、どのように書いたらいいのか、法令をみただけではわかりません。
実際、「業務方法書ってどう書いたらいいのですか?」という質問を多く受けています。
上記、5つのことを記載します。以下、それぞれについて見ていきましょう。
「業務運営にあたっての基本的な考え方」等を概念的に記載します。
具体的にどのように書いたら良いのか。金融商品取引法等の法令にはありませんが、監督指針と金融庁の考え方を手がかりにしてみましょう。
金融庁の考えは、『業務方法書の記載事項のうち「業務運営に関する基本原則」としては業務運営にあたっての基本的な考え方等を、「業務執行の方法」としては各種業務をどの部門がどのような手続きで行うか等を、「苦情解決のための体制」としては顧客の苦情に対応する部門等を、それぞれ記載することが考えられます』としています。
『「業務運営に関する基本原則」としては業務運営にあたっての基本的な考え方等を、』ということは、要するに「基本的な考え方」を書けば良いと読み取れますね。
そしてそれは、具体的でなく、概念的に書くことだと思われます。
事業の成長や発展ばかり書くのではなく、利益を考える前にまず「コンプライアンス」を考えることが大前提ということをポイントとして押さえておきましょう。
金融商品取引法とは、「利益よりもコンプライアンス」を重視する法律でもあるからです。
「業務運営にあたっての基本的な考え方」等を記載します。
一般的には、社内規定を作成し業務方法書に添付します。「業務執行報告書」は、とても長い文章になってしまうからです。
金融庁の考え方は、『「業務執行の方法」としては各種業務をどの部門がどのような手続きで行うか等を、』としていますね。
「金融商品取引業者の組織に関する事項」を記載します。
一般的には、「業務分掌規定」を作成し、業務方法書に添付します。
「組織規定」には、組織図を添付するのが良いと思います。
「業務分掌規定」のポイントは、「責任の所在の明確化」「この業務は、どこの部門が責任をもつのか」を明確にすることです。
金融商品取引法第2条8項各号から行おうとする業務を選択し記載します。
会社が行う金融商品取引業の具体的種類を記載します。
「顧客の苦情に対応する部門」等を記載します。
金融庁の考え方は、『「苦情解決のための体制」としては顧客の苦情に対応する部門等を、』としています。
「苦情の解決のための体制」には、苦情に対応する部門を記載する他、そもそも苦情とは?苦情を受けた社員はどのように対応すべきかの基本姿勢などの体制を記載しましょう。
一般的には、「苦情処理規定」を作成し業務方法書に添付します。
登録した内容に変更が生じた場合(業務の種別を除く)は、変更日より2週間以内に変更届出書を提出しなければなりません。
下記事項に該当する場合は遅滞なく届出が必要です。
毎事業年度経過後3ヶ月以内に事業報告書を提出しなければなりません。
金融商品取引法では投資家を保護するため、金融商品取引業者に様々な規制を設けています。
営業所ごとに見やすい場所に、「金融商品取引業者登録票」という標識を提示しなければなりません。標識には登録番号を記載します。
これで、投資家はこの業者が内閣総理大臣の登録を受けて、どんな業務をしているのかが標識を見てわかるわけですね。
新聞広告や雑誌広告などで多数の投資家に公告や情報の提供をするときには、投資家が支払う手数料や費用を明記し、取引により損失が発生する可能性などを大きな文字で表示しなければなりません。
大きな文字とすることで、投資家の見落としが防がれることになります。
取引の前に、投資家が支払う手数料や支払う手数料や費用、取引により投資家が損をする可能性があることなどを明瞭に記載した書面を投資家に交付する必要があります。
この書面は、「書面の内容をよくお読みください」と書かなければなりません。
不確かなことを確実であると誤解させるようなことを投資家に告げて取引の勧誘をしてはいけません。
投資家に損失の補てんを約束したり、投資家の利益に上乗せした利益を追加したりする行為は禁止されています。
投資家の投資判断をゆがめることになりかねないからです。
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