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売掛金を現金化して中小企業の経営を助けるファクタリング。
まだまだ日本国内では知名度の低い現状では、「ビジネスローンのようなもの?」という認識の方も多いです。
ファクタリングとビジネスローンはどのような違いがあるのでしょうか。また、どのような局面で使い分けるものなのでしょうか。
似ているようで大きく異なる、ファクタリングとビジネスローンの違いについておさえましょう。
まずは会計面での違いからです。ファクタリングは売上債権を持つ企業(経営者)だけが利用できるサービスです。
債務者とのあいだにファクタリング会社が入り、債務者の代わりに時期を早めて入金します。これは入金を待つ売上であるため、会計では「資産」になります。
対してビジネスローンは他社(信販会社)から借入金を発生させるため、会計上は「負債」です。
負債のため、一定期間後は元本+利息を返済する義務があります。
また、ファクタリングは自社の売上債権のため、売上以上の金額を借りることができません。
一方でビジネスローンは審査こそありますが、審査に通りさえすれば返済能力以上の金額を借りることができます。
準備すべき金額によって、ファクタリングを選択するのか、ビジネスローンにするのか、選択するようにしましょう。
ただしビジネスローンのデメリットとして、信販会社から借り入れた額を返すことのできない、いわゆる返済不能になるという危険性を同時に含みます。
ビジネスローンの場合は、借りるだけではなく、返すことを管理しなければ、ビジネスローンありきの経営になってしまい、とても危険です。
両社は金利の有無にも違いがあります。
売上債権の前借りのため、そもそも金利のないファクタリングに対して、ビジネスローンは元本のほかに利息がかかります。
利息の額は借り手の属性や借入する金額によって変わってきます。目安額は以下に記載します。
ファクタリングは金利が課せられない代わりに、ファクタリング会社に手数料を支払う必要があります。
ただ借入金を起こす「だけ」のビジネスローンに比べ、売上債権の現金化、債務者への回収など手間も労力もかかります。
そのため、一般的にはビジネスローンの金利は年率10%-15%(月率1%)であるのに対し、ファクタリングの金利は年率10%-30%。ビジネスローンの方が圧倒的に低金利です。
ここまでの情報から、20%も30%も原資を削られるファクタリングより、ビジネスローンの方がコスト面から見ると使い勝手がいいことがわかります。
ファクタリングもビジネスローンも、緊急的に資金が必要なときに活用できる方法です。
ただ繰り返しになりますが、ファクタリングは資産でビジネスローンは負債です。
負債に抵抗感があり、どちらも利用できる環境のときは、ファクタリングから先に活用するといいでしょう(そもそも負債や借入金に抵抗感があるという方は、経営者をお勧めできませんが)。
ただ、入金は早ければいいという場面ばかりとは限りません。
特に気をつけたいのが「決算」です。ファクタリングを検討している3月決算の会社があるとしましょう。
たとえば本来4月に入金される売上をファクタリングで3月に繰上げすると、本来翌期となる売上が今期になります。
法人税の額が増えるくらいであればさほど問題もないのですが、問題はファクタリングによって通期決算が赤字が黒字となってしまう場合。
法人税を支払う必要がないのに(株式会社の場合)、ファクタリングを利用することによって税金が発生してしまいます。
この場合はビジネスローンを活用した方がいい局面です。
赤字の会社は数年損失を繰り越せますので、返済可能な借入金を起こして、ファクタリングで借りる予定だった売上と合わせた収益で予定通り返していくようにしましょう。
また、ビジネスローンを希望しても借りることができないというケースもあります。
また、半年後などに融資を検討している場合は、敢えてビジネスローンを選択したくないという局面もあると思います。
その場合は消去法でファクタリングを選ぶことになるでしょう。
このような場合は利率は高くても、ファクタリングを選択するしかありません。
もちろんファクタリングも売上債権がなければ利用することができないので、自然と選択肢の数は狭まってしまいます。
このように、ファクタリングとビジネスローンのどちらを選ぶかは状況によって変わります。
様々な要因を見ながら、タイミングを計りながら活用するようにしましょう。
資金繰りに悩まない経営者などいません。周辺の知識をしっかりと構築して、経営者としての判断を下していくことが大切ですね。
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