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今回のコンテンツは机上の空論ではなく、私自身FXをやって実感していることばかりです。やっているからこそ言えることなのです。
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ちなみに、マネースクエアは私自身も法人名義の口座を持っており、ずーっと愛用しています。私がマネースクエアをオススメする理由はこちらにまとめています。
2012年1月からの法改正によりFXは個人取引の場合、20%の税率となり「個人取引の方が税金的に有利」と思っている方が多いです。
しかし、2013年11月の改正税法により、法人取引の場合(資本金1億円以下の中小法人等)、年間所得800 万円以下の部分は15%(以前は18%)、年間所得800万円超の部分は25.5%。(以前は30%)となりました。
地方税を含む実効税率で計算すると、それぞれ以下の税率になります。
800万円までの所得であれば、実行税率はほぼ変わりません。(多くの方が勘違いしていますが、所得が仮に1,200万円の場合であっても、1,200万円×36.05%ではなく、ざっくり以下になります。
合計 3,226,800円(個人の場合は1,200万円×20.315%で2,437,800円)
所得1,200万円の場合でもたったの80万円程度しか違わないわけです。
また、この税率は「所得」に対する税率で、収益に対する税率ではありません。
FX収益が2,000万円でも所得が800万円であれば、個人と税率はほぼ変わらないということです。
所得を意図的に抑えることが出来る、経費算入余地の広い法人の方が個人より結果的に税金も抑えられる可能性が高い事は以下の項目をお読み頂ければご理解頂けると思います。
※法人の場合、個人として受け取る役員報酬にも当然税金がかかります。法人の所得以外にも、役員報酬額や家族構成次第では、トータルの税金及び社会保険を考えると個人・法人で結局はあまり変わらない税額で着地する事も多いです。必ず税理士にご相談の上ご判断下さい。
FX取引を行っている方の中には、メイン事業の財テクとして取引している方や、株や投資信、不動産、日経 225 先物等複数の投資を平行して取引している方も多いです。
実はここが個人取引の場合の大きなデメリットで、個人の場合は他の取引との損益通算が出来ません。
法人の場合、損益通算が可能ですので、FXで800万円の利益を出し、株で300万円の損失を出した場合、500万円に対する課税となります。
個人の場合は800万円の利益にだけ20%の課税がなされ、株の損失に関しては何の配慮もされません。
また、事業で1,000万円の利益を出した方がFXで1,000万の損失を出した場合も課税はゼロとなります。
逆に、事業で1,000万円の赤字を出してしまい、FXで1,000万円儲けた場合も、所得税の支払はゼロとなります。
個人では極めて狭い経費しか認められていない一方、法人の場合、法人名義の自動車は100%経費で落ちます。また、ガソリン代も保険代も全て経費で落ちます。(儲かっている会社社長が高級外車を購入やリース契約するのは節税の為です。)
奥さんや子どもを非常勤役員にして役員報酬を出し、法人の所得を下げつつ世帯収入を増やす事だって出来るのです。(法人役員の場合、非常勤であっても経営責任がある為、ある程度の対価は認められます。専従者の場合、事業に従事している事実がなければ認められません。)
また、800万円までの交際費定額控除があります。
簡単に言うと、仕事上の飲み食いや贈り物で年間800万円までなら損金算入が出来ると言う事です。万一ボッタクリキャバクラに掴まっても領収書さえ取っておけば、節税には対応出来ます。(仮にですが、極端な話FXで800万円儲けて、800万円分全部を交際費で使ったとしたら、法人税ゼロということです。「所得」がゼロなので。)
個人ではたった3年しか繰り越せない損失が法人の場合は9年繰り越せます。誰だって損失なんて出したくないと思っていますが、それでも出る時には出るのが損失です。
3年繰り越せるか9年繰り越せるか、その大きな節税効果を知るのは本当に損失が出た時です。損失が出てから慌てて会社設立しても、「時、既に遅し」です。
個人の場合、3年しか繰り越せませんので、
と、なります。
繰越欠損は長ければ長いほど、万一の際のリスクヘッジになるわけです。
個人取引の損益は実現主義です。12月末時点での「確定利益」に対して課税されます。一方の法人取引は決算時点での「評価損益」を計上する必要があります。
これは一体どういう事か、例を挙げて説明したいと思います。
こういうパターンに陥っている方はFXに限らず投資を行っている人には非常に多いと思います。
その場合、個人ですと300万円の利益に対して課税(60万円の税金)された上で含み損500万円という辛い状況を余儀なくされます。
故に、期末になると、確定利益分を相殺すべく、含み損300万円分は損切りして、課税ゼロと含み損200万円で越年するか・・・・と頭を悩ますことになります。
法人の場合は決算時点での「評価損益」に対する課税ですから、上記の場合確定利益が300万円だとしても、含み損が500万円あるのなら、トータルの評価損益額はマイナス200万円です。故に課税はゼロ。
当然、含み損の分は決済する必要性はないので、当期の税金をゼロにしつつ、翌期で反転して利益が出た時に決済すればOKとなります。
デイトレードで日々損益を確定しているなら大した違いはないでしょうが、中長期投資の方なら法人取引の方がメリットは大きいです。
もちろん、逆パターンで含み益が出ている場合、実現されていない評価益が課税所得になりますので、決済していないポジションに対しても課税されることになります。
ただ、その場合は「まだ上がる」との目算でしたら税金を払ってでもポジションをホールドすれば良いですし、一旦利益確定して税金分は確保しておけば良いだけの話です。
いずれにしても、選択肢がない個人に比べて、「選択肢がある」法人は取引上のメリットがあると言えるのではないでしょうか。
ここまでお読み頂き、圧倒的に会社(法人)の方がFX取引はメリットが大きい事はご理解頂けたと思いますが、気になるのは費用ですよね。
会社形態はいくつかありますが、小規模事業を行うだけ、或いはFX取引がメインであれば、最も安く設立出来る「合同会社」で十分です。
とは言え、合同会社を侮るなかれ。現在では、多くの日本人が愛用しているiPhoneのアップルジャパンや西友、ユニバーサルミュージックだってこの合同会社なのです。
合同会社の場合、設立時に登録免許税6万円+行政書士・司法書士の設立代行費用が6万円程度の合計約12万円かかります。
別途、会社の印鑑費用が約1万円(個人印を法人印とする事も可能です。)
合計13万円程度でしょうか。
それにプラスして、税理士報酬がかかります。
相場で言うと月額2万円+決算時6ヶ月分(12万円)で合計36万円/年
初年度は設立費用が乗っかってくるので、約50万円程度。
2年目から36万円程度がランニングコストとして毎年必要になるかなと言った所でしょう。
この必要になる金額と、会社にする事でもたらされるメリットを天秤にかけて判断すれば良いと思いますが、私なら迷わず会社にします。
設立にかかる費用や税理士報酬もまた経費計上出来るわけで、これ自体が節税になります。(それでいて、ご自身は煩雑な事務に振り回されることなく取引に集中出来ます。)
逆にこの程度の費用に尻込みする程度のFX利益であれば、会社にする必要はないでしょう。
ただし、FX取引で個人か法人か迷った時に、絶対に忘れてはいけない鉄則がひとつあります。
それは、対策は後からは出来ないと言う事です。
大きな利益が出てから、慌てて節税をと思って会社にしても時既に遅し、です。同様に、大きな損失を被ってから慌てて9年の損失繰越狙いで会社設立をしても時既に遅し、です。
繰り返しますが、対策は後からは出来ないと言う事を十分認識の上、会社設立をするかどうかは検討すると良いでしょう。
取引ロットが大きく、多額利益が出る目算がある方は同様に多額の損失を被る可能性もありますので、会社にしておかれる事を強くお勧め致します。
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